Amazonアカウント停止・真贋調査への対応|通知後にやること・請求書の要件・改善計画の3要素
Amazonから停止や調査の通知が届いたら、最初にやるべきことは「何が・どの範囲で・なぜ止まったのか」をアカウント健全性ページとパフォーマンス通知で特定することです。申し立てでは、違反の根本原因と、それを解決するために実行した具体的な対応を、証拠書類とともに示すようAmazon公式は求めています。商品の信頼性(いわゆる真贋調査)の場合は、通知の受領前365日以内に発行された仕入先の請求書が中心的な証拠になります(2026年9月時点・Amazon公式ヘルプ)。回復できるかどうかはAmazonの審査で決まり、保証された手順はありません。本記事では、公式ヘルプが示す要件の範囲で、対応の順番と避けるべき行動を整理します。
アカウント停止・出品停止・真贋調査の違い
Amazon公式は、パフォーマンス指標やポリシーが守られない場合の措置として「アカウントの一時的な利用停止、出品情報の削除、または出品者出荷の利用制限」を挙げています(アカウントの利用停止または出品情報の削除に対する申し立て)。影響範囲がまったく異なるので、まず自分がどれに該当するのかを切り分けます。
| 措置・調査 | 影響範囲 | 公式が示す主なきっかけ | 確認・対応する場所 |
|---|---|---|---|
| アカウントの利用停止 | 出品用アカウント全体 | 重大な違反、繰り返し違反の上限到達、アカウント健全性の評価(AHR)の低下、詐欺・虚偽・違法行為の疑いなど | アカウント健全性ページ上部の「出品用アカウントの再開」 |
| 出品情報の削除(出品停止) | 該当するASIN・出品 | 知的財産、商品の信頼性、コンディション、制限対象商品などのポリシー違反 | アカウント健全性ページの「商品規約の遵守」、在庫管理の停止中の出品、パフォーマンス通知 |
| 出品者出荷の利用制限 | 出品者出荷の出品(追跡可能率は商品カテゴリー単位) | 注文不良率、出荷前キャンセル率、出荷遅延率、追跡可能率の未達 | アカウント健全性ページの「再審議請求を送信」など |
| 商品の信頼性に関する調査(真贋調査) | 対象ASIN。違反と判断されればアカウントにも及ぶ | 権利者による権利侵害通知、権利侵害品・偽造品であるという購入者からの報告、試買による判定 | 通知の指示に従い、仕入先の請求書などを提出 |
「真贋調査」は出品者の間で使われる呼び方で、公式ヘルプでは偽造品や商品の信頼性に関する違反・苦情として扱われています。偽造品に関するポリシーは、正規品でない商品を販売した場合、出品用アカウントおよび関連のアカウントの一時停止または閉鎖、売上金の支払い留保、フルフィルメントセンターにある在庫の出品者負担での廃棄があり得るとしています。各指標の基準値とAHRの仕組みはアカウント健全性とパフォーマンス指標の基準で整理しています。
通知が来たらまずやること
慌てて返信する前に、次の順番で状況を固めます。
- 通知の原文を読む: パフォーマンス通知とEメールで、対象のASIN、違反とされたポリシー、求められている書類、提出期限を確認します。公式は、審査対象の商品一覧が最初の通知の下部にあると案内しています。
- アカウント健全性ページで全体を確認する: 「商品規約の遵守」の「すべて表示」から、削除された出品情報の履歴・現在のステータス・次に行う手順を確認します。表示されない場合は、在庫管理の停止中の出品情報も見ます。
- 猶予期間と電話に備える: 重大な違反では、停止までに対応のための猶予期間が3日間設けられ、その間にアカウント健全性スペシャリストから電話が入ると公式は説明しています。通知設定の緊急連絡先の電話番号が最新かを確認してください。
- バナーのクイズを確認する: 注文不良率などの指標が原因で出品者出荷の停止リスクがある場合、対象の出品者にはページ上部に5問のクイズが表示されることがあります。72時間以内に合格すれば、改善計画の提出も停止も不要になると案内されています。
- 原因になり得る在庫を止める: 公式はポリシー違反時の見直しとして、在庫を確認し、該当する商品を在庫から取り除いたうえで定期的に在庫を確認する対策を例示しています。原因が特定できるまで、同じ仕入先・同じロットの販売継続は避けます。
- 証拠を集めてから申し立てる: 仕入先の請求書、仕入先の情報、検品や在庫管理の記録をそろえ、申し立ては内容を固めてから送信します。
なお、出品を取り下げたり在庫から削除したりしても、違反の記録はアカウント健全性ページから消えないと公式は明記しています。販売を止めることと、違反に対応することは別の作業です。
Amazonが求める書類:請求書の要件
ポリシー違反への対処では、多くの場合に仕入先からの請求書のコピーが必要になると公式は説明しています。要件は「ポリシー違反の申し立てに関する請求書の要件」に明記されています(2026年9月時点・Amazon公式)。
請求書に記載されている必要がある内容
- パフォーマンス通知の受領前365日以内の発行日が明確に表示されていること
- 通知に記載された各ASINについて、過去365日間の販売数量と手持ち在庫をカバーするのに十分な数量
- 違反に関連する各ASINの購入記録(複数商品が載っている場合は、対象商品を強調表示してよい)
- オンラインで検証できる商品名、型番、UPCなどのわかりやすい製品コード
- 仕入先の連絡先情報(名前、電話番号、住所、ウェブサイトなど)
あわせて、書類は改変されていない正本であること、PDFまたは画像ファイル(.jpg、.png、.gif)であること、完了した出荷済みの取引の記録であることが求められます。価格情報は削除してもかまいませんが、それ以外はすべて判読できる必要があります。Amazonは確認のために仕入先へ連絡する場合があり、仕入先には政府機関の情報源や信頼できる第三者の情報源で検証できるウェブ上の存在が必要だとされています。
受け付けられない書類
- 見積書、仮送り状など、確定した請求書や完了した取引より前に発行される書類
- 出品者自身が発行した請求書、仕入先と購入者が同じ事業体と推測される請求書
- デジタル処理で改ざんされた請求書、Excel(.xlsx)やWord(.docx)など編集可能な形式の請求書
知的財産権の侵害を理由とする警告の場合、Amazon知的財産権ポリシーは、商品の真正性を示す請求書、注文番号、または権利所有者による権限付与書面(Eメールの転送は不可)のいずれかを、対象ASINのリストとともに提出する方法を示しています。苦情を申し立てた権利者と取引関係がある場合は、権利者に連絡して苦情の撤回を依頼する方法も案内されています。
この要件から逆算すると、個人間取引のようにフリマアプリで仕入れた商品は、仕入先の連絡先や検証可能性を満たす請求書を用意しにくい場合があります。フリマ仕入れとAmazon販売を組み合わせている方は、証憑の面のリスクを事前に把握しておいてください。
申し立て(改善計画)に書く内容
指標未達による停止では「パフォーマンス改善計画(POA)」、ポリシー違反では申し立ての質問書への回答が求められます。公式の「出品権限を回復するために申し立ての質問書に回答する」は、作成時のガイドラインとして次の4点を挙げています。
- 明確かつ簡潔に説明する: 事実に基づき具体的に書く。商品やビジネス、購入者について述べるのではなく、問題につながった事実や出来事に焦点を当てる。他の質問や進行中のケースの情報は含めず、感情的な表現は使わない。
- すべての問題について説明する: 違反につながる根本原因を特定する。確認できない仕入先、在庫管理の問題、品質管理の問題などが根本原因の例として挙げられている。根本原因を解決するために実行した具体的な対応を、詳細な内容・変更実施日・関連書類とともに伝える。
- すべての商品に関する証拠を提出する: 審査中のすべての商品・ASINについて証拠を出す。提出期限を確認する。
- 資料の一部を強調表示する: ASIN、仕入先名などの重要箇所を丸で囲む、強調するなどして読み取りやすくする。
これを実務で整理すると、書くべき要素は次の3つになります。
- 根本原因: 「購入者の誤解」「配送会社の遅れ」といった外部要因ではなく、自社の仕入れ・検品・在庫管理・商品登録のどの工程に穴があったのかを特定します。公式は、Amazonのルールと出品者の認識のずれ(外装に傷のある商品を新品で出品する、国内でサポートされない並行輸入品を正規品のカタログで出品する等)を見直すポイントとして例示しています。
- 是正措置: 根本原因を解決するためにすでに実行したことを、実施日と関連書類つきで書きます。「今後気をつけます」ではなく、「該当在庫を販売停止し返送した」「仕入先を変更した」など、完了した事実で示します。
- 再発防止: 是正措置のうち、今後も継続する運用の変更(仕入先の確認手順、入荷時の検品項目、出品前のカタログ照合など)を具体的に書きます。公式ガイドラインに「再発防止」という独立した見出しはありませんが、Amazonは違反が繰り返し発生しないようにすることを勧めており、同じポリシーの違反が180日以内に上限回数に達すると直ちに停止される可能性があると説明しています。繰り返さない仕組みを示すことは、この考え方に沿った内容です。
申し立ての手順と審査の流れ
アカウントの利用停止に対する申し立ては、公式ヘルプでは次の手順で案内されています。
- セラーセントラルで「アカウント健全性」に移動する。
- ページ上部の「出品用アカウントの再開」をクリックする。
- ページの指示に従って申し立てを入力する。質問書の提出、違反の確認、質問への回答、補足書類の提出が求められる場合がある。
- 「送信」をクリックしてAmazonに送信する。
送信後は、審査結果のEメールを待ちます。公式は、申し立てへの回答を受け取るまで最大で2日間程かかるとしています。追加情報を求める返信が届いた場合は、アカウント健全性ページの「要請を見る」から依頼された書類と情報を提出します。出品情報の削除に対する申し立ては、「商品規約の遵守」タブで該当の出品を見つけ、ページ内の指示に従って申し立てを送信するか、出品規約に従って出品情報を修正します。
AHRの低下が原因で停止された場合は、未解決の違反への対応や申し立てによってスコアが停止の基準値である100を上回ると、アカウントが再開されると説明されています。違反の判定が誤りだと考える場合は、証拠を添えて異議申し立てを行う道もあります。いずれの場合も、Amazonは「問題が解決すると出品権限の回復につながる可能性がある」と表現しており、回復を約束してはいません。大口出品者は、アカウント健全性ページのボタンからアカウント健全性サポートチームに問い合わせができます。
やってはいけない対応
- 別アカウントを作って販売を続ける: 出品者行動規範は、ビジネス上の正当な理由がありすべてのアカウントが問題なく運用されている場合を除き、出品する地域ごとに維持できるアカウントは1つのみと定めています。偽造品に関するポリシーも、措置の対象に関連のアカウントを含めています。また公式は、Amazonのシステムを回避しようとする行為が疑われる場合はスコアにかかわらず直ちに停止するとしています。
- 書類を改ざん・自作する: 請求書は改変されていない正本であることが要件で、デジタル処理で改ざんされた請求書や出品者自身が発行した請求書は審査対象外です。Amazonが仕入先に連絡して確認する場合があることも明記されています。虚偽の情報の提出は行動規範にも反します。
- 理由を確認せずに同じ内容を送り直す: 公式は、請求書を含む申し立てが却下された場合はパフォーマンス通知で受け付けられなかった理由を確認するよう案内しています。不足点を埋めないまま同じ文面を再送しても、審査に必要な情報は増えません。
- 感情的な訴えや無関係な話を書く: 公式ガイドラインは、感情的な表現を使わないこと、他の質問や進行中のケースの情報を含めないことを求めています。
- 購入者や権利者に不適切な働きかけをする: 良好な評価を得るために購入者へ対価を提供する行為などは禁止されています。権利者への連絡は、公式が案内するとおり取引関係に基づく苦情撤回の依頼にとどめます。
- 「必ず復活する」とうたうサービスを鵜呑みにする: 回復の可否を判断するのはAmazonであり、結果を保証できる第三者はいません。
平時の予防:仕入れ証憑と出品ルール
調査にどこまで対応できるかは、通知が届く前の準備に大きく左右されます。
- 仕入れ証憑をASIN単位で保管する: 請求書の要件は「通知の受領前365日以内」「過去365日間の販売数量と手持ち在庫をカバーする数量」です。販売中の商品について、この範囲の請求書をすぐ取り出せる状態にしておきます。税務の基礎は確定申告と開業のガイドで整理しています。
- 検証可能な仕入先から仕入れる: 仕入先の名前・電話番号・住所・ウェブサイトが請求書に載り、第三者の情報源で実在を確認できることが要件です。正規品のみを仕入れ・販売・出荷することは出品者と仕入先の責任だと公式は明記しています。仕入れの基本はせどりの基本で解説しています。
- コンディションとカタログを正しく選ぶ: 外装に傷のある商品の新品出品や、並行輸入品の正規品カタログへの出品は、公式が注文不良率悪化の理由に挙げる典型例です。
- 相乗り出品の禁止ケースを確認する: 既存カタログへの出品は、知的財産や商品の信頼性の苦情につながりやすい領域です。相乗り出品ガイドの禁止ケースを出品前に確認してください。対象商品のブランド名は商品ごとの分析ページ(例:iPhone用ガラスフィルム)でも確認でき、ブランド単位の出品制限を調べる入口になります。
- 出品許可が必要な商品は先に申請する: カテゴリーやブランドの制限は出品制限の解除ガイド、自社ブランドの保護はAmazonブランド登録で整理しています。
- アカウント健全性を日常的に点検する: Amazonは可能な場合、出品権限に影響が出る前に改善の機会を提供するとしています。通知と緊急連絡先を整えておくことが、その機会を逃さない前提です。
知的財産や法令が絡む案件では、公式も法律の専門家への相談を勧めています。個別の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
- Amazon出店ロードマップで、いま自分がどの段階かを確認する
- カテゴリ別の売れ筋×推定月販で、参入するカテゴリの需要を見る
- FBA利益計算機で、仕入れ前に手数料込みの粗利を出す
よくある質問
Q. Amazonのアカウント停止と出品停止は何が違いますか?
A. アカウントの利用停止は出品用アカウント全体が対象で、アカウント健全性ページ上部の「出品用アカウントの再開」から申し立てます。出品情報の削除(出品停止)は該当するASINや出品が対象で、「商品規約の遵守」タブから個別に申し立てるか出品情報を修正します。ほかに、指標の未達による出品者出荷の利用制限があります(Amazon公式ヘルプ)。
Q. 真贋調査ではどんな書類を求められますか?
A. 中心になるのは仕入先が発行した請求書です。Amazon公式は、通知の受領前365日以内の発行日、過去365日間の販売数量と手持ち在庫をカバーする数量、検証できる製品コード、仕入先の名前・電話番号・住所・ウェブサイトなどの記載を要件としています。見積書、出品者自身が発行した請求書、編集可能な形式のファイルは受け付けられません(2026年9月時点)。
Q. 改善計画には何を書けばよいですか?
A. 公式ガイドラインは、違反につながる根本原因を特定し、根本原因を解決するために実行した具体的な対応を、詳細な内容・変更実施日・関連書類とともに伝えるよう求めています。実務では根本原因、是正措置、再発防止の3要素に整理し、事実に基づいて簡潔に書きます。感情的な表現や、他のケースの情報は含めないよう案内されています。
Q. 申し立てをすれば必ずアカウントは復活しますか?
A. 保証はありません。Amazon公式は、問題が解決すると出品権限の回復につながる可能性があると説明しており、回復できるかどうかは申し立ての内容をAmazonが審査して判断します。申し立てへの回答までは最大で2日間程かかるとされ、追加の書類や情報を求められた場合は、アカウント健全性ページから提出します。
Q. 停止中に別のアカウントを作って販売してもよいですか?
A. してはいけません。出品者行動規範は、ビジネス上の正当な理由がありすべてのアカウントが問題なく運用されている場合を除き、出品する地域ごとに維持できるアカウントは1つのみと定めています。Amazonのシステムを回避しようとする行為が疑われる場合は、アカウント健全性の評価のスコアにかかわらず直ちに停止するとも明記されています。
参考文献・出典
- アカウントの利用停止または出品情報の削除に対する申し立て - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- 出品権限を回復するために申し立ての質問書に回答する - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- ポリシー違反の申し立てに関する請求書の要件 - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- ポリシー違反の問題 - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- パフォーマンスの問題1:注文不良率が高い - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- アカウント健全性の評価(よくある質問) - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- アカウント健全性に関するよくある質問 - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- Amazon偽造品の取り組み - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- Amazon知的財産権ポリシー - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- 出品者利用規約および出品者行動規範 - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- 注文不良率 - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- 追跡可能率(VTR) - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
- Amazon出品サービス(出品者が知っておくべきポイント) - Amazon セラーセントラル ヘルプ, 2026年9月閲覧
※本記事はAmazon公式・所管官庁の公開情報を2026年9月21日時点で整理したものです。手数料・基準・法令は改定されるため、申請や判断の前に必ず出典元の公式ページで最新の内容をご確認ください。税務・法務の個別判断は税務署・所轄官庁・専門家にご相談ください。